関節リウマチとは

関節リウマチ(RA)は、関節を標的とする膠原病(自己免疫疾患)のひとつと考えられており、主に手の指や手首などの関節から炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす病気です。遺伝的要因もあるとされていますが、ご家族に関節リウマチの方がいたとしても、必ずしも発症するわけではありません。

現在、関節リウマチの方は全国で70万人ほどいると言われていて、自己免疫疾患の中では最多となっています。男性よりも女性の方が4倍発症しやすいとされており、患者様のうち、約8割が女性です。30~50代で発症することが多く、中でも働き盛りである40代での発症が多くみられます。

関節リウマチの特徴

関節リウマチでは初期の症状として、関節の痛み、こわばり、腫れなどが現れます。患部を押すとぶよぶよとした感触があるのが特徴で、他によくみられる症状としては、「朝のこわばり」があります。これは朝起きた際に、指などの関節が固まったようになり、動かしにくくなるものです。大体30分程度で動くようになりますが、病気が進行するともに、なかなか元に戻らなくなります。

こうした症状は、身体の片方だけでなく左右対称に痛みが起こることが多く、さらに、関節の炎症以外にも、疲労倦怠感や微熱、食欲不振などの全身症状も表れるのが、関節リウマチの特徴です。

日常生活の中で、以下のような症状が見られる場合、関節リウマチである疑いがあります。

  • 朝、起きた時に手足などの関節がこわばり、10分~1時間以上に及ぶことがある
  • 歯ブラシが持ちにくく、うまく歯が磨けない
  • ボタンが外しにくくなったり、靴紐が結びづらくなったりした
  • 箸やハサミなどの道具がうまく使えない
  • 瓶のふたなどが開けられない、また開けるときに痛みを感じる
  • ドアノブが回しにくいと感じる
  • 重いものを持つと手首が痛い
  • 階段を上り下りすると膝関節が痛い
  • 入浴すると体中が痛むことがある
  • 全身にだるさがあり、熱っぽさも感じるときがある

関節リウマチは何よりも早期発見・早期治療が重要です。以上のような症状をひとつでも感じられたら、念のため、お早めに医療機関をご受診ください。

発症の仕組み

関節リウマチでは、本来、自分の体を外敵から守る免疫システムが異常を起こし、自分の体の一部であるものを、“外敵”と判断し、それに対する抗体を作ってしまい、炎症を引き起こすことが原因と考えられています。

この異常が関節で起こると、主に関節の滑膜という組織にリンパ系細胞が集まり、滑膜炎などの反応を起こします。滑膜は関節液を作るなどの役割をもち、関節をスムーズに動かすためには欠かせない組織です。

ここで特に注意しなければならないのが、炎症に対して免疫細胞から作られるタンパク質である「サイトカイン」です。「サイトカイン」にはIL-6(インターロイキン6)やTNF-α(腫瘍壊死因子α)などがあり、これらが炎症をさらに悪化させます。悪化すると、またサイトカインが増えるという悪循環が起きます。

こうして炎症が進行していくと、滑膜細胞の増殖(腫れ)、関節液の増加がおこり、ぶよぶよとした状況になります。さらにサイトカインは破骨細胞の働きも活性化してしまい、関節の軟骨や骨が破壊されていきます。関節を破壊しつくすと炎症は治まりますが、関節の変形は残ってしまい、生活の質を大きく低下させてしまいます。

関節リウマチと妊娠・出産

関節リウマチの治療中でも、妊娠・出産は可能です。ただし、病状が安定していない方は不妊の傾向にあるというデータもありますし、また関節リウマチの治療薬の中には、妊娠を希望した際に、「あらかじめ中止する必要がある薬」「妊娠が判明するまで続けることができる薬」「場合によっては妊娠中も使用可能な薬」があります。

一方、関節リウマチの患者様では、それぞれ病気の状態、活動性、関節リウマチの治療内容が異なります。現在使用している薬、続けなければいけない薬、一時的に使用しなくても大丈夫な薬も異なります。

当クリニックでは、患者様一人一人を丁寧に診察し、妊娠を希望される患者様に関しては、それぞれの状況を十分に検討し、綿密な計画を立て、病気の進行抑制も踏まえながら、薬の管理を行っていき、妊娠・出産へとつなげることを目指していきます。

現在関節リウマチは、その治療で寛解も目指せる病気となり、妊娠・出産、そして仕事と、通常の生活も送れるようになっています。当クリニックでは、そのためのサポートをしてまいりますので、まずはお気軽にご相談ください。

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療では、「病気の進行を止める」「腫れや痛みをとる」「関節の機能低下を防ぎ機能回復を図る」の3つが基本となります。まずは早期発見を心がけ、初期の患者様にあっては、関節の変形を引き起こさないようにすること、進行期の患者様にあっては、合併症や長期にわたる変形でお悩みの場合も含め、痛みなどの症状を取って、毎日を生活の質を落とさずに過ごせるようにすることを目指します。

治療としては、主に薬による治療が中心となります。使用する薬としては抗リウマチ薬(DMARDs)としてメトトレキサート(MTX)が中心的に使われています。抗リウマチ薬としては他に、サラゾスルファピリジンや ペニシラミン、ブシラミン、タクロリムスなどがあります。また抗リウマチ薬と並行し、痛みや炎症などの症状を抑える目的で、ステロイド薬や非ステロイド薬(NSAIDs)を使用する場合もあります。

この他に現在では、サイトカインの伝達を担う酵素を阻害するJAK阻害薬や、サイトカイン自体を標的とする各種生物学的製剤も開発されており、当クリニックではそれらを組み合わせ、患者様ごとに、様々なご希望や経済的なこと、出産希望の有無についてなどもご相談しながら、いわば「オーダーメイド」の治療を行っています。

関節などの状況によっては、リハビリが有効であったり、手術の必要性を認めたりする場合もあります。その際は、専門の医療機関をご紹介し、しっかりと患者様の状況を共有した上、手術後も引き続き当クリニックで治療を続けていただけるよう、体制を作ってまいります。

関節リウマチにおける生物学的製剤

生物学的製剤はバイオテクノロジーによって開発された医薬品で、主に点滴や注射にて投与する治療薬です。国内では平成15年から関節リウマチについて使用することができるようになりました。

生物学的製剤はサイトカインであるIL-6(インターロイキン6)やTNF-α(腫瘍壊死因子α)を標的にして抑制するもので、特に関節破壊抑制効果に優れるなど、より高い効果が期待できるとされています。比較的高価な薬ですが、近年ではバイオシミラーと呼ばれる先発品より安価な生物学的製剤も登場しています。

一方、現在7種類ある生物学的製剤は、それぞれ特徴も異なり、患者様の状況によっては生物学的製剤の効果が期待できない場合もあります。当クリニックでは、血液検査の結果や合併症の有無も踏まえ、他の薬による治療法とも比較検討しながら、それぞれの患者様に最適と思われる薬を選択し、適切に使用してまいります。

関節リウマチの診断方法

関節リウマチの診断には難しい部分もあり、一つの検査だけでわかるものではありません。まずは丁寧な問診を行い、痛みなどの症状や、日常での生活のご不便などを、伺うところから始め、さらに患部の視診や触診、血液検査、尿検査等によって、全身で発生している炎症の状況などを調べていきます。さらにレントゲン等の画像検査で関節の状況を確認する場合もあります。

血液検査で調べられるもののひとつに、抗CCP抗体というものがあります。これは関節リウマチの滑膜に存在するCCPという抗原を排除しようと形成される自己抗体で、これまでのリウマチ因子検査よりも、より正確にリウマチの発症を予測できると言われています。

血液検査で抗CCP抗体陽性と判定された場合、早期治療が必要とされていますが、関節リウマチにおける抗CCP抗体の感度は60~80%、特異度は90~95%以上ではあるものの、「完全」ではありません。そこで各国の学会ではそれぞれ判断基準が設けられています。下記に紹介するのは、その一つですが、実際の診断では、こうしたものも用いながら、常に新しい情報を踏まえ、総合的に診断を行っていきます。

トータルで6点以上の場合、関節リウマチと診断されます。

トータルで6点以上の場合、関節リウマチと診断されます。

炎症を起こしている関節の数
大関節(足・膝・肘・肩・股関節) 1ヵ所以下 0点
大関節(足・膝・肘・肩・股関節) 2~10ヵ所 1点
小関節(手および足の指、手首) 1~3ヵ所 2点
小関節(手および足の指、手首) 4~10ヵ所 3点
11関節以上(少なくても1つ以上の小関節を含む) 11ヵ所以上 5点
血液検査
リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体がどちらも陰性 0点
上記のどちらかが陽性で、基準値の3倍以下 2点
上記のどちらかが陽性で、基準値の3倍より大きい 3点
急性炎症反応
炎症を示すCRP値とESR(赤沈)値がともに正常 0点
炎症を示すCRP値またはESR(赤沈)値が異常 1点
滑膜炎の期間
6週間未満 0点
6週間以上 1点
木曽川平野内科 リウマチ膠原病クリニック
院長
平野大介
・医学博士
・藤田医科大学客員講師
・日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
・日本リウマチ学会 リウマチ専門医
・臨床研修指導医
・愛知県難病指定医
診療内容
内科・リウマチ科
住所
〒493-0001
愛知県一宮市木曽川町黒田九ノ通り95
TEL
0586-52-5256
最寄駅
・名鉄「新木曽川駅」徒歩20分
・東海北陸自動車道「一宮木曽川IC」すぐ
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